1000年の時代(とき)を経て、二人は再び巡り合った。
それはとても幸せそうで・・・。
あぁ、これが変わらぬ愛なんだな、と思って・・・。
自分も幸せな気持ちになれた。
つられて笑顔になる。
でも・・・ふと思い出すと・・・




私の隣にはキミがいない ―







ETERNAL SONG
〜ユウナ〜






最近、同じ夢を見る。
追いかけて、追いかけて
待って、と言っても決して振り向くことはないキミ・・・。
その時気づくのだ。

彼は遠くに行ってしまったのだと・・・。






「・・・・・・1000年は・・・遠すぎるから」

レンはシューインに言った。
1000年も経ってないのに・・・すごく遠くに感じる・・・。
私はひとりでも大丈夫だよ、と何度も心の中で唱えた。
そんなのはただの強がりで、本当はキミがいないと何もできない。

「新しい歌、聴かせてあげる」

私の歌は・・・









もう、届かない・・・。




「・・・ナ、ユウナ」
ふと現実に引き戻されるようにリュックの声が頭に響いた。
「えっ、あ、何・・・?」
まったくもって今の状況が理解できないユウナは少し戸惑う。
「そろそろ帰ろ?」
リュックは笑顔でユウナを見る。
そして、ユウナの手を握り、パインの手を握り、歩き出す。
そう、私には仲間がいる。ひとりじゃない。
ひとりじゃないから強気でいられる。
でも・・・やっぱりふとキミを思い出すと、胸が苦しくて・・・。

「シューインもレンも幸せそうだったね」
リュックが突然口を開いた。
あのときの二人は本当に幸せそうで・・・。
やっとお互いの想いが通じて・・・。
1000年経っても変わらない愛が羨ましくて・・・
これからずっと一緒にいられるんだろうな、と思うとすごく羨ましくて。
「そう、だね」
笑顔で答える。
これからもずっと一緒にいられるといいね、と付け足す。

私とキミも1000年経てばまた出会えるのかな。
でも、1000年経ったら、私おばあさんどころじゃないや、なんてくだらないことも考えたりして。

「ずっと一緒さ。どんなときもずっと・・・」
パインがどこか遠くを見ながらも、でもとても優しい顔でそう答えた。
そうだね、とリュックと声が揃った。



また・・・キミの姿が頭の中でよぎった。
もしあのとき、キミがいなくならなかったら・・・
そしたら私たち、どうなってたんだろう ―。

またぼーっとしてると、リュックが気持ちを察したのか
「アイツもどこかで元気にしてるって!!」
そう笑顔で言ってくれて。
「だからユウナも元気にしてないと、次会うとき笑われるぞ」
パインも冗談を言って励ましてくれて。
2年前のこと、パインは知らない。でも、こうして励ましてくれる。それですっごくほっとして。
「そうだね!!」
みんなの励ましのおかげで少し元気になれた気がした。





ユウナは最後に一度振り返り、その後みんなより少し遅れて歩き出した。
こうしてひとりでいるとき、たいてい浮かんでくるのはキミの笑顔。







懐かしい、というにはあまりに近すぎて。
振り向いたらキミが後ろで笑っているような気がして・・・。









指笛を吹いた。











もう一度。












ピーーーーーー












指笛が・・・聞こえた・・・・・・。












「彼に会いたい?」

いきなり後ろから声を掛けられ、振り向くとそこにいたのはフードを深く被った少年。
(祈り子・・様・・・?)
「彼・・・?」
一瞬誰のことだかわからず聞き返したが、その後すぐに祈り子が言っている’彼‘というのはあの人のことだとわかった。
「そう・・・もう一度一緒に歩きたい?」
一緒に歩く・・・。そんなことができるのだろうか。
それが無理だったから今こうして隣にはいないのだ。
でも、できるなら・・・。
「一緒に、歩きたい」
ユウナははっきりと答えた。
「できるかはわからないんだ。・・・でも、やってみる」








追いかけて、追いかけて








待って、と言っても決して振り向くことのないキミ。








あぁ、また行ってしまうのね・・・。








伝えたいこと、いっぱいあるのに・・・。








また今日も伝えられなくて・・・。








また明日、キミは私の前を走る。








お願い・・・止まって!!!








叶うわけもないことを願って・・・。








でも、今日は一瞬、立ち止まったような気がした。








ヌージたちが誘ったお祝いをユウナは断った。
どうしても、あそこに行きたい。
何故か、そんな気持ちがした。
「もっと、早くーっ!!もっと、高くーっ!!」
目指すはビサイド島。
海が、とっても綺麗で・・・。
初めて、キミに会ったのもここで ―。




飛空挺をいきおいよく飛び降りて、海にたたずむ人の元へ。
いきなり抱きつくと、キミはちょっと驚いて。

「ホントに・・・キミ、なの・・・?」
そんなの聞かなくたってわかる。でも無意識にその言葉が出た。
「・・・・どうッスか?」
彼が少し戸惑いながら聞いてくる。
「・・・・うん」
その問いに短い返事を返し、やっぱり間違いないと認識する。
ずっと会いたかった彼が今目の前にいる。
伝えたいこと、いっぱいあるのに、いざとなると何も言えなくなる。
でも、これだけはいいたかった。
絶対に、言おうと決めていた言葉 ―







「おかえり」




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あとがき
10-2ED直後のお話。ユウナ視点です。
何か、何が言いたいのかよくわからないですね。
私もわかりません!!!(マテ
タイトルとのつながりないし;;
ただ伝えたかったのは、大切な人と離れ離れになることの辛さ。
そんなところでしょうか?
あまりよくわからないものになってしまいましたが、これを読んでくださったあなたに、何かが伝わればいいな、と思います。
ETERNAL SONG、ティーダ編もよろしければご覧下さい。

♪1000の言葉 Piano Version〜時を越えた想い〜