暗い・・・暗い・・・





ここは、何処・・・?





俺は・・・誰・・・・・・・・・?







ETERNAL SONG
〜ティーダ〜






「・・・また、会えるよね?」

リュックは言った。
俺は振り向かなかった。
だって、そんなこと俺にはわからないから・・・。
ユウナが俺を引きとめようとした。
でも、俺の体をすり抜けて・・・。
もう、だめなんだな、と思った。
振り向いたら泣いてしまいそうな気がして。皆と離れたくなくなると思ったから俺は振り向かずに走り抜けた。






そして、暗闇の中へ・・・。





どこだか分らない。
でも、すごく冷たくて、寂しい場所で。






やっぱり、皆のところに居たかったな、って思ってももう遅い。
そのうち、記憶がなくなって・・・ ―
自分が誰だか分らなくなった。










暗い・・・暗い・・・






ここは、何処・・・?






俺は・・・・・・・






誰・・・・・?










そこで泣いている君は・・・・・・











・・・誰?






どのくらい、時が過ぎたのだろう。
もう、そんなことさえ彼にはわからない。

ここは何処なのかも、自分が誰なのかも。

ただ、泣いている君はとても寂しそうで・・・。
誰なのかわからない。




でも・・・






俺は彼女を知っている ―。





ずっと一緒にいた。
守ると約束した。






君は誰なんだ?










『最後かもしれないだろ。だから・・・全部話しておきたいんだ』








何を・・・・・・?






『私、倒します。必ずシンを倒します』






シン・・・?何だよ、それ・・・






『もう・・・・・がんばるの、やめろよ』






どうして・・・?










『キミと・・・会えてよかった』












ピーーーーーー






何の・・・音?






指笛?









― 思い出して・・・・






誰・・・?




― 思い出して・・・自分を・・・彼女のことを・・・・・




そうすれば、またきっと一緒に歩ける ―。






ピーーーーーー




また・・・どこかで指笛が鳴った。

自分も、指笛を鳴らしてみる。




ずっと泣いていた君が振り向いた ―。






目を開くと、そこは海の底。
ティーダは海の底で大きくのびをした。
そして、海面から顔を出した。

そこには、懐かしい景色。

(戻って・・・来れた?)

陸を目指して泳いだ。
しばらく、泳いだとき、空から何かが飛んでくるような大きな音が聞こえた。
ティーダは音のなる方を見た。
空には真っ赤な飛空挺。
その飛空挺はまっすぐティーダを目指して飛んできて。
顔に掛かった水しぶきをはらうと飛空挺のハッチが開いた。




そのハッチから飛び出して来たのは、さっきまで泣いていた君。


まっすぐこちらに駆け寄ってきて、抱き締めた。




「ホントに・・・キミ、なの・・・?」
今さっき目覚めたばかりで自分かどうか自信もない。
思わず「どうッスか?」と聞き返すと、「・・・うん」と帰ってきた。

そして、「おかえり」と・・・。

短いけど、でもそれがすっごく嬉しくて・・・
だから、俺も言った。






「ただいま」




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あとがき
ETERNAL SONGのティーダ編です。
何か、無駄に長いですね。
書いてて自分でだんだんわけわからなくなっちゃいましたよ;;
ただ、とにかく、前に書いたユウナ編と話が合うようにしないといけないな、と思って頑張りました。
ユウナ編、ティーダ編、どちらから読んでくれても構わないです。
一度読んだ後、また少し時間を置いて、逆から読んでみるのもいいかもしれないです。(ぇ
どちらか一方しか読まない、というのはできればやめていただきたいです。
2話完結みたいなものなのでw

♪1000の言葉 Piano Version〜時を越えた想い〜